はじめに
本記事は株式会社ポムスタディが作成(監修)しています。
2020年創業のWEBコンサルティング会社。MA・SFA・CRM等の各種ツールの運用も得意としており、少人数・低予算から実施できるマーケティング施策を活用したコンサルティングを行なっています。
※記事の内容には正確性を期すようにしておりますが、万が一事実と異なる掲載がございましたら、ご指摘ください。
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MAって何?
MAとは、Marketing Automation(マーケティング・オートメーション)の頭文字をとったもので、マーケティング活動を自動化するためのツールのことです。近年、多くの企業がマーケティング活動を自動化するためにMAツールを導入しています。しかし、まだ導入していない企業担当者の方は、「どうやって使えばいいのか」「何ができるのか」と悩んでいるのではないでしょうか。そもそもなぜこれほど多くの企業がMAツールを導入しているのでしょうか。まずはMAツールが何故生まれたのか、そしてどうやって使えばいいのかの2点から見ていきましょう。
MAツールとナーチャリング活動の発祥はアメリカ
MAツールは、マーケティング先進国であるアメリカで生まれたWebマーケティング戦略の一種です。アメリカでは、日本よりもマーケティング活動が活発で、市場規模も大きくなっています。世界初のMAツールはそのアメリカで1992年にユニカ社から発売され、その後IBMに買収されました。2021年3月にはキャンペーン管理ツールのHCLユニカとなって、今でも現役で市場に残っています。MAツールは、すでに開発されていたSFAツール(営業支援ツール)を補完するために作られました。当時のSFAにはマーケティング機能がほとんどなかったため、MAツールは必要なマーケティングシステムを製品にパッケージ化することで機能面の問題を解決しました。また、アメリカの国土は莫大で移動コストが大きく、時差もあるため、リモートで効果的に使用できるMAツールが営業効率化のためには必須でした。
MAツールがマーケティング活動にもたらした変化
MAツールができる前は、幅広い見込み客に片っ端からコミュニケーションをとっていました。街頭のビラ配りのような状態で、相手が興味があるかないかに関係なく、とにかく広告を打つまくり数撃ちゃ当たるの考え方でした。仮にターゲットを計画的に決めていたとしても、その後のターゲットの動きについては全く検証できていませんでした。労力がたくさん必要な上に非効率的な手法だったのです。
しかし、MAツールを導入したことで、適切なコンテンツを適切なタイミングで自動的に提供することができるようになりました。また、営業部門が単独で見込み客を追いかけるのではなく、マーケティング部門がMAツールを使ってリードを発掘するようになりました。そして、それらを営業チームに引き渡し、営業は事前情報を持った上で適切なアプローチができるようになりました。
MAツールの代表的な機能
MAツールには、営業活動を支援する便利な機能が搭載されています。ここでは、MAツールの代表的な機能をご紹介します。
メールマガジンの配信と追跡
MAツールでは顧客にメールマガジンを配信することができますが、単にメールマガジンを配信するだけでなく、メールの開封率やクリック率などを計測することができます。また、ウェビナーに参加した数百人、数千人のリストに一斉にメールを送ることもできるので非常に便利です。セミナーを聞いてくれた人の中から特に興味を持っていると思われる人から優先的にフォローをする事ができるようになります。
自社サイトでのお客様の行動を把握する
クッキーベースのアナリティクスを使えば、見込み客が自社サイトでどのような行動をとっているかを把握することができます。顧客が見たページの履歴をたどれば、どのページに興味を持っているのか、どんな問題に直面しているのかなどをおおよそ知ることができます。事前情報として営業メンバーに共有して、商談を有利にすすめることもできるのです。
顧客のスコアリングと既存顧客の理解
メールマガジンの反響や、Web上での顧客の行動を分析することで、独自のスコアリングシステムを設計することができます。スコアリングとは、顧客の購買意欲や熱量を示す指標であり、簡単に言えば顧客の行動を点数化することです。例えば、資料請求は+50点、退会ページの閲覧は-100点のようにスコアを付けておくことで、スコアの高い人(熱心なユーザー)かスコアの低い人(退会リスクの高いユーザー)がひと目で分かるようになります。
スコアリングの結果から、確信度の低い潜在顧客や明確なニーズを持つ顧客を特定することができます。相手が既存顧客であれば、メールマガジンの未読やイベント誘致への失敗等が将来的な解約、不買につながる恐れがあります。しかしスコアリングで意欲を測定しておけば、事前に対策を講じることが可能となります。見込み客、既存顧客の両者の理解につながるのが「スコアリング」です。
シナリオメールで営業の労力を軽減できる
お客様とひと括りにいっても、見込み客と既存顧客、また見込み客の中でも今にもサービスを契約しそうな見込み客と今にもメルマガを退会しそうな見込み客とでは、接し方が大きく異なります。
MAツールでは、顧客の関心度に応じたシナリオメールを設定することで、様々な確度の潜在顧客に自動的にアプローチすることができます。少ない人数の営業担当者でも、適切な相手に適切なメッセージを送ることができ、営業活動の効率化を図ることができます。
営業活動の自動化と結果のモニタリング
MAツールの導入や営業活動の自動化により、顕在顧客を中心とした効率的な営業活動が可能となります。その結果、アポイントメントの獲得や成約率の向上につながります。
使うには専門知識と時間が必要
日本ではMAツールが導入されてからまだ日が浅いため、成功事例や経験が足りないケースが多くあります。また、マーケター自身もその効果や使い方を詳しく理解していないことが課題として挙げられます。多くの場合、ナーチャリング戦略の構築やMAツールの設定には長い時間がかかります。また、目に見える成果が出るまでにも長い時間がかかります。しかし、その利便性と効率性から、今後はMAツールがますます普及していくことが予想されます。
専門知識に不安がある場合や、スムーズな導入・運用を行いたい場合は、外部のコンサルタントに相談することもできます。また、MAツールの効果的な使い方についてご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。
代表的なMAツール
最後に代表的なMAツールをご紹介します。実際にMAツールを使ってみたいけど、どんなものが自社に向いているのか分からないという方向けにわかりやすく説明しています。それぞれのツールに長所と短所がありますので、自社に向いたものを選んで活用するようにしましょう。
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)
Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)は、SalesforceのMAツールです。Marketing Cloud Account Engagementは、強力なSFAツールであるSalesforceと連携できることが最大の魅力です。Account Engagementは安価であることも大きなメリットですが、年々機能が複雑化しており、使いこなすには多くの知識が必要となります。使いこなすのもかんたんとは言えないので、専門知識に自信がないようであればあまりお薦めはできません。
マルケト
マルケトはAdobeが提供するMAツールで、その特性は広い連携対象と顧客へのエンゲージメントマーケティングを展開することに主眼をおいた作りにあります。一方で費用感はやや高い傾向にあります。専門知識のある大企業での導入が盛んです。
SATORI
SATORIは国産MAツールで、最近は上戸彩さんが出演するCMを多く流していることでも有名です。海外発のMAツールは複雑なカスタマイズになれば説明は英語だけということもよくありますが、国産なのでサポートも日本語で安心できます。ただし、最低費用でもそれなりの月額料金が発生します。
Hubspot Marketing hub
HubspotはMAツールとしてHubspot Marketing hubを提供しています。Hubspotの最大のメリットは無料から使えるという価格の低さと使い方の簡易さです。またSFAやCRMの機能も備えているので、連携の心配も必要ありません。日本での知名度は低く、サポートも英語文書が中心になってしまうのが難点です。
まとめ
MAツールがどんなものかおわかりいただけましたでしょうか。MAが機能するようになれば、毎回人力でメールを送ったり、営業をしたりするコストが削減でき、少ない人数でも事業を回せるようになります。
株式会社ポムスタディではMAツール導入のご相談を受け付けております。お気軽にご相談下さい。